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2020.10.15
スナック製品は食事の間に少し空腹感を紛らわせるために食べるものである。最近ではアメリカのスナックは中間食的なものになりつつあり、朝、昼、晩の3回の食事を少なくして、間にスナック(小食)を食べ、合計5回以上食事を摂る人が増えている。あるデータによるとアメリカ人は平均2.7回スナックを食べ、1日に3回以上食べる人は46% いるという。最近ではスナックに野菜、果物、ヨーグルト、チーズ、デリ肉、シリアル、グラノーラなどの食品が食べられるようになってきている。つまり、スナックを食事の一部として食べる人が増えているということである。こうした傾向と消費者の健康志向が相俟って最近では健康的なスナックが増えてきている。特に若い人はスナックにも、より健康的なものを求めており、機能性を付加したスナックが市場に増えてきている。今回はスナックに機能性成分を加えて機能性を付加した製品を取り上げてみた。
Good Source Foods社は “Good Source Snacks”(写真1) という商品名で、“Morning Jump”, “Afternoon Boost”,“Evening Calm” の3種類の商品を展開している。それぞれには朝、昼、夜に必要とされる機能性成分を含んだチョコレートが使用されている。“Morning Jump” には、消化促進と抗炎症作用のある生姜、エネルギーを与える緑茶、血圧とコレステロールをコントロールするアーモンド、記憶をよくするザクロの種とブルーベリーが入っている。“Afternoon Boost” には抗酸化剤で認識力が高くなるとされているクルミ、血糖値をコントロールし消化器系の健康を保つ乾燥リンゴ、代謝を増進し食欲を抑えるカイエン・ペッパーを入れている。“Evening Calm” には自然のメラトニンが含まれている乾燥チェリー、落ち着きを出すことができるラベンダーが入っており、さらに、ターメリック、はちみつ、オーツ麦、クルミが入っている。
最近、Tyson社は新しく “Pact” ブランドで冷蔵スナック製品 “Snack Bites” (写真2)を販売している。これは、フルーツとナッツを使い、それに他の10種類くらいの栄養成分を加えたもので、“Gut Instinct”, “Gut Ahead”, “Vibe On”,  “Glow With It” の4種類が販売されている。“Gut Instinct” には、グリーンバナナ粉、クランベリー、コンブーチャにさらに10億CFUのプロバイオティックと3gのプレバイオティック、9gのプロテインに4gの食物繊維が入っている。“Gut Ahead” には、グリーンバナナ粉、ジンジャー、ターメリックの他、10億CFUのプロバイオティックと3gのプレバイオティック、8gのプロテインに4gの食物繊維が入っている。“Vibe On” には、ワイルド・ブルーベリー、ペパーミント油、抹茶が使われ、それに1000mgのオメガー3-脂肪、55mgのマグネシウム、9gのプロテインと3gの食物繊維が入っている。“Glow With It” には、ココナッツのフレーク、ココア、コラーゲン・プロテインの他、さらに750mgのオメガー3-脂肪、950mgのグレープシード油、10gのプロテインに3gの食物繊維が入っている。冷蔵製品であるが、室温でも10日はもつとしている。
バー製品には多くの機能性製品がある。Atlas Bar社はアシュワガンダ・エキス、マカの根の粉末をアダプトーゲンとして加えたプロテイン栄養バー製品(写真3)を出している。これらのバー製品はケトジェニック・ダイエットにも使える製品である。“Chocolate Cacao”, “Peanut Butter Chocolate Chip”, “Vanilla Almond Chai”, “Almond Chocolate Chip”, “Peanut Butter & Raspberry”, “Mint Chocolate Chip” の6種類を出している。Cultured Snack社はプロテインが多く入ったバー製品とプロバイオティックが入った製品 “Probiotic Snack Bars”(写真4)を販売している。“Maple Pecan”, “Blueberry Chai”, “Lemon Ginger”,
“Peach” の4つのフレーバーを展開している。このバー製品はアーモンドとヨーグルトをベースにして作られており、プロテインには大豆たんぱくが使われている。プロバイオティックにはBACILLUS coagulans GBI-30 6086 が使用されており、20億CFU が入っているとしている。1本のバー(45g) にプロテインは11-12g入っている。Great Lakes Gelatin社はコラーゲンおよびゼラチン製品を出す会社で、この会社のコラーゲンは牛由来のコラーゲンで、
必須アミノ酸9つの内8つが含まれ、全部で18のアミノ酸が入っている。コラーゲンにフレーバーと甘味料を加えただけの製品が多い中、同社が出すバー製品 “Collagen Endurance”(写真5)は加水分化したコラーゲンに粒状はちみつ、チコリ根繊維、エリスリトール、リンゴ酸、単離プロテイン、タウリン、オーガニック・バニラ、天然ストロベリー・フレーバー、オーガニック・ステビア、天然ブラックベリー・フレーバー、塩、天然色素、ビタミンC、デキストロース、サイアミン塩酸塩、リボフラビン、ニアシンアミド、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12を混ぜたもので、スポーツやエクササイズをした後の疲労回復を促すとしている。
クリスプ・ブレッドとはノルウェーの製品で、1935年にグンダー・グンダーソンという人が自分の胃腸の調子をよくするために糠、ライムギ粉、少量の塩を使って作り出したクラッカー状のパン製品のことである。“Gluten-Free Fiber Crispbread” (写真6)には1つ(100g)に食物繊維が3gから4g含まれており、実質炭水化物も3gしか含まれていない。“Original” の成分は、小麦の糠、全粒ライムギ、塩である。“Multi-Seed” の成分は、オート麦の糠、アマニの種の粉、アマニの種、ヒマワリの種、オーツ麦の食物繊維、オーツ麦のフレーク、サイリウム、塩、ローズマリー・エキスである。“Honey Cinnamon” の成分はオート麦の糠、アマニの種、アマニの種の粉、オーツ麦の食物繊維である。“Original” が昔に作られたままの処方で、“Multi-Seed” と “Honey Cinnamon” は最近の処方である。このクリスプ・ブレッドは食物繊維が多く含まれており、炭水化物も難消化性のものが多いのでお通じをよくするにはよい製品である。
Uplift Foods社はプロバイオテイックとプレバイオティックの入った “Gut Happy Cookies” (写真7)を出している。普通クッキーは栄養価的には贅沢で少し不健康的な製品であるが、それを健康的なものとして出している。サイトによるとプロバイオテイックとプレバイオティックの混合成分は臨床的に腸の健康を保ち、善玉菌である乳酸菌を増やすとしている。成分には精白した小麦粉ではなくフルーツ、野菜ナッツ類を使い、特に主成分には白ルピンマメを使って植物性のクッキーにしている。このクッキーは1サービングで砂糖は4gしか入っておらず、ネット炭水化物の量は 6 -7g でケトジェニック・ダイエットにもいいとしている。またタンパク質も8gで、食物繊維も11g含まれている。“Salted Peanut Butter with Chocolate + Coconut”, “Sunfloower Butter with Vanilla + Chia”, “Salted Almond Butter with Chocolate + Hemp Seeds” の3種類を出ている。
スムージーも多くの女性にとって健康的なスナックとして摂取されている。Good Culture社はケフィアを使ったプロバイオティックの入ったオーガニックのスムージー製品 “Probiotic Smoothie” (写真8)を “Pineapple”, “Vanilla”, “Wildberry” の3種類のフレーバーで出している。これらは1サービング (287ml) にプロテインが7g入っており、プロバイオティックは12種類の菌が合計350億CFU入っている。この菌の中には、BB-12菌という、臨床実験で腸内菌のバランスを取り、免疫性を高める
効果の認められた菌が含まれている。アメリカ人は、チューインガムを口臭、歯の黄ばみ防止又は食欲抑制のための手だてとして利用しているが、スタートアップMighty Gum社の“Mighty Gum Immunity” チューインガム(写真9)には、炎症と感染に効果があるエルダベリー(ニワトコの実)、免疫系を活性化させる霊芝、免疫系のバランスをとるアストラガルス、ストレスと不安の管理に効果があるアシュワガンダ、そして果物由来の6つのビタミンが含まれているため、口臭、歯の黄ばみ防止又は食欲抑制の手だて以外の付加価値がある。ガムならば、一日を通して噛むことが出来るので、1日1回摂取する錠剤と比べて、低用量を連続的に吸収するということが可能になる。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
吉田 隆夫 (よしだ たかお)
Takao Yoshida
1968
1968 - 1970
1972
1972 - 1974

1974 - 1985
1985 - 1990
1990
1999
2002
2016
大阪大学理学部化学科修士課程卒
マイアミ大学学術研究助手
大阪大学理学部化学科理学博士取得
シラキュース大学化学科学術研究員
*2010年ノーベル化学賞受賞 根岸英一氏「シラキュース大・根岸研究室」で協働
International Flavors & Fragrances 社 主任研究員
Carlin Foods/Bunge Foods 社国際事業部長
JTC インターナショナル創立
アメリカ食品産業研究会設立
e-食安全研究会設立
クリエイティブ食品開発技術者協会設立


インターナショナル食品安全協会会員、アメリカ化学会員、アメリカ食品科学技術者協会会員-プロフェッ
ショナル・フェロー、アメリカ食品産業研究会会長、e-食安全研究会理事長

学術論文:21(化学学術論文)、技術特許:40以上



e食安全研究会 理事長
アメリカ食品研究会 会長
クリエイティブ食品開発技術者協会 専務理事
理学博士
IFT 認証食品科学士

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