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2021.01.15
ダイエット産業はアメリカでは非常に大きく、Research & Marketing社によると市場規模は720億ドルで、食事を中心にした商業的なダイエット・プログラム、食事とエクササイズを組み合わせたもの、エクササイズを中心にするもの、医療による治療的なものなど、その内容は多岐にわたっている。しかしながら、自分でダイエットをして体重を減らそうという人が最も多く、そのための食品やサプリメントも多く販売されている。ダイエット用のサプリメントは店に今も並んでいるが最近はあまり人気がない。一昔前はダイエットというと食事の量を減らす、あるいは脂肪や砂糖の摂取を減らすというのが主な方法であった。そのために脂肪や糖分を早く燃焼させるようなサプリメントが利用されていたのである。最近のダイエット法はおなかがすかないようにし、栄養を十分に摂取して、運動と組み合わせて体重を減らそうとするものが主流になっている。今回はダイエット法として最近注目を浴びている低炭水化物ダイエットについて説明し、このダイエットで使われる製品を紹介する。

低炭水化物ダイエットの先駆けとなったのは、1960年代にアトキンス博士が考え出した「アトキンス・ダイエット法」である。これは炭水化物をほとんど食べず、脂肪の多い肉や食品を中心にする低炭水化物ダイエット法である。確かにこのダイエット法は体重を減らすことができるので有名になり、一時はダイエット法のトップであった。しかし、このダイエット法については安全性に関する議論がしばしば起こり、テレビでもアトキンス博士と他の医者との間で議論がされたこともある。現在ではこうした炭水化物が極端に少ない、脂肪の多いダイエット法はケト・ダイエット(ケトジェニック・ダイエット)と呼ばれ、その体重減少の理由まで知られている。ケト・ダイエットを実践して炭水化物の摂取を非常に少なくすると、エネルギー源として炭水化物の代わりに脂肪が燃焼されてエネルギーとして使われる。その際にケトーシスという代謝が起こり、ケトン体がエネルギー源として使われる。従って身体の脂肪が燃焼されるので体重が減るのである。最近では、初めのうちは少量の炭水化物の摂取も認めつつ、次第に炭水化物の量を減らす低炭水化物ダイエット(ロウカーボ・ダイエット)など、アトキンスダイエットの改善された低炭水化物ダイエット法を多くの人が行っている。低炭水化物ダイエットの一つでもあるパレオ・ダイエット法も若い人の間で最近非常にポピュラーになってきている。パレオ・ダイエットのパレオとは狩猟時代のことを指す。この時代には人々は木の実や草、狩猟して得た動物の肉を食べて暮らしていた一方で、その後始まった農耕時代以降に多く摂取されるようになる穀類や乳製品、加工食品はあまり食べなかった。狩猟時代にはいわゆる現代病といわれる生活習慣病はなかった。そうした病気は穀類、乳製品、加工食品や精製した砂糖を食べるようになって起こり始めたとし、狩猟時代のような食事をし、身体を十分動かして生活をすれば体重も減り健康な身体になるという考えのダイエット法である。

低炭水化物ダイエットでは、パン、シリアル、チップス、クラッカー、砂糖の入った食品、ジュース、牛乳、ビール、ケーキ、コーンやポテトなどスターチの多い食品を避けて、逆にスターチの少ない野菜、マッシュルーム、アボカド、ナッツ、種子類、卵、
鶏肉、魚、牛の赤肉、豆腐などの積極的な摂取が推奨されている。どのような低炭水化物ダイエット法でも、栄養的に偏ったものになる可能性があり、栄養士や医者と相談する方が望ましい。アトキンス・ダイエットは最近ではあまりポピュラーではないが、博士が創設した会社がSimply Good Foods社として「アトキンス・ダイエット」を勧めている。この会社はそのための食品群(写真1)を一般スーパーなどで販売している。
スーパーマーケットに行くと、ケト・ダイエット、パレオ・ダイエットに使うことのできる食品が多く並んでいる。朝食用としてはシリアルやパン製品でケト・ダイエット用の製品が出されている。例えば、 “Caralina Crunch” ブランドのシリアル(写真2)では、自社ブレンド(エンドウ豆プロテイン、ポテト食物繊維、コーン食物繊維、チコリルート食物繊維、グアーガム)、タピオカ粉、オーガニックの高オレイン酸ヒマワリ油、ベーキングパウダー、天然フレーバー、海塩、炭酸カルシウム、ステビア・エキス(甘味料)、モンクフルーツ(甘味料)といった低糖質の原材料が使われている。“Chocolate Peanut Butter”, “Fruity”, “Dark Chocolate”, “Cinnamon Toast”, “Maple Waffle”, “Honey Graham”, “Chocolate Banana”, “Mint Chocolate Chip” の8種類のフレーバーで展開されている。他社のシリアル製品も大体が植物性プロテインと食物繊維、少量のスターチを使ったものである。
また、Kiss My Keto社が販売するケト・ダイエット用食パン(写真3)では、活性小麦グルテン、卵、オーツ麦食物繊維、パーム油、粉砕した亜麻の種、コーシャーの塩、ベーカーズ・イースト、バター、キサンタンガム、発酵小麦、天然フレーバー、蜂蜜が原材料として使われており、通常の食パンと比較して炭水化物量が大幅にカットされている。この製品では小麦グルテンを使っているが、他の製品ではグルテン・フリーにするために植物性プロテインを使っている製品もある。このパンには1サービング(28g) に炭水化物が5g含まれているが、すべて食物繊維で、糖はゼロで、実質炭水化物量はゼロである。アーモンド粉を使ったパンもある。例えば、Julian Bakery社の “Keto Thin Bread” (写真4)の原材料は、ブランチングをしたアーモンド粉(薄皮を除くため)、オーガニックのケージフリー卵、オーガニックのバター、オーガニックのクリームチーズ、バニラ・エキス、ベーキング・パウダーである。アーモンド粉はそのままほぼ小麦粉と同じように使える。スナックではチョコレートチップ・クッキーはアメリカ人の大好物であるが、これもアーモンド粉でケト・ダイエット用に作ることができる。
Foodstirs社はオーガニックの “Keto Chocolate Chip Cookie Mix” (写真5)を出しているが、この製品は、オーガニックのアーモンド粉、オーガニックのエリスリトール、オーガニックの粉末エンドウ豆プロテイン、チョコレートチップス、オーガニックのココナッツ粉、重炭酸ソーダ、海塩、オーガニックのチョコレート・エキス、オーガニックのバニラ・エキスから作られている。この会社は他にケト・ダイエット用のブラウニー・ミックスとケーキ・ミックスも出しているが、同じように小麦粉の代わりにアーモンド粉を使っている。
パスタも炭水化物の多い食品であるため、普通の製品はケト・ダイエットには不向きであるが、Thin Slim Foods社は、オーツ麦食物繊維、小麦食物繊維、単離小麦プロテイン、卵白、ドラム小麦から作られた低炭水化物ダイエット用のロティーニ(写真6)、エルボウ、フェタチーニ、ペンネなどのパスタ製品を販売している。1サービング(57g) で炭水化物は44gでそのうち食物繊維は36g入っており、8gが実質炭水化物である。プロテインは4g含まれている。これらのパスタ製品は特にケト・ダイエット用とされていない。他の会社ではヤムの食物繊維とオーツ麦の食物繊維で似たような製品を作っているところもある。こうしたパスタは食物繊維が多いのでお通じはよくなる。
パレオ・ダイエットでは小麦、米、コーンなどの穀類は食べず、肉は赤肉を食べ、できるだけ生の食品を食べるようにするのが本来の姿であるが、現代生活では完全に生の食品で生活することはできない。そのため加工食品会社でパレオ・ダイエットに使える製品(写真7)を出す会社が増えている。写真の後列左の “Paleo Protein Bar” は “Kaveman” ブランドのプロテイン・バー製品で、ナッツと種子類を混ぜて作ったものである。“Coconut Almond”, “Caramel Cashew”, “Cashew Almond”, “Cherry Nut” の4種類で展開され、いずれも乾燥したフルーツとプロテインの豊富なナッツやオメガ-3-脂肪酸が多い種子類を混ぜて作っている。その隣の同じく “Kaveman” ブランドの “Maple Pork Bites with Uncured Bacon” は高プロテインのミート・スナック製品で、ポークとベーコンでできている。他にも鶏肉、ターキー肉を使った製品を出している。後列右の “Birch Benders” ブランドのパレオ・パンケーキ・ワッフル・ミックスは、穀類を一切使わずに、カッサバ粉、ココナッツ粉、アーモンド粉を配合して作られたものである。前列左の “Paleo Braised Beef” はパレオ・ダイエットの冷凍ディナー・メニュー製品で、牛肉の蒸し煮とモレソース、チポータ味のポテトとブロッコリが入っており、マイクロウエーブオーブンで加熱して食べるものである。その右の “ɘvol” ブランドはプレミアムの冷凍食品を取り扱う会社であるが、パレオ・ダイエットにも使用出来る製品として自社製品を販売している。ここに載せたのは、“Unwrapped Chicken Egg Roll Bowl” という商品名のボウル製品で、この1食分 (298g) に、プロテインは16g、炭水化物は25g 含まれており、そのうち21gが砂糖分で、パレオ・ダイエット用にしては少し砂糖分が多いように思われる。前列右の製品は “Root Z” ブランドの “Protein Superfood” で、卵白、プロテイン・ブレンド(ヘンプ・プロテインとサチャインチ・プロテイン)に、ココナッツ、バナナ、チアの種、亜麻の種、マカの根、ミツバチ花粉、アサイ、クコの実、ブルーベリー、ロイヤルゼリー、スピルリナ、クロレラ、ケール、ほうれん草、ブロッコリのスーパーフードを混ぜたもので、チョコレート・エキス、バニラ・エキス、ステビア、シナモン、海塩でフレーバーをつけている。これはアーモンドミルクなどと混ぜて摂取する。食品群の中でナッツ類は高プロテインであるので、ナッツそのもの、あるいはこのようにバー製品あるいはトレイル・ミックスにして、あるいは、アーモンド粉などの粉にして低炭水化物ダイエット法の中で使われることが多い。特にパレオ・ダイエットを実践している人には、ナッツは狩猟時代にも食べられていた自然からの食品であるので、ダイエットのための理想的な食品として積極的に食べる人が多い。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
吉田 隆夫 (よしだ たかお)
Takao Yoshida
1968
1968 - 1970
1972
1972 - 1974

1974 - 1985
1985 - 1990
1990
1999
2002
2016
大阪大学理学部化学科修士課程卒
マイアミ大学学術研究助手
大阪大学理学部化学科理学博士取得
シラキュース大学化学科学術研究員
*2010年ノーベル化学賞受賞 根岸英一氏「シラキュース大・根岸研究室」で協働
International Flavors & Fragrances 社 主任研究員
Carlin Foods/Bunge Foods 社国際事業部長
JTC インターナショナル創立
アメリカ食品産業研究会設立
e-食安全研究会設立
クリエイティブ食品開発技術者協会設立


インターナショナル食品安全協会会員、アメリカ化学会員、アメリカ食品科学技術者協会会員-プロフェッ
ショナル・フェロー、アメリカ食品産業研究会会長、e-食安全研究会理事長

学術論文:21(化学学術論文)、技術特許:40以上



e食安全研究会 理事長
アメリカ食品研究会 会長
クリエイティブ食品開発技術者協会 専務理事
理学博士
IFT 認証食品科学士

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