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2020.09.15
今年の始めからコロナ・ウイルスのパンデミックが世界中に広がり、人々の暮らしに大きな変化が起こるとともに、それによって非常に大きな経済的損失が社会にもたらされている。食品業界においてもレストラン業、農業、食品生産業の分野で大きな影響が出ている。こうした変化は日本については日々報道されているので、ここには書かない。アメリカでも食品業界への影響はほとんど日本と同じようなものであるが、食品市場での影響には少し異なったところがある。特に植物性食品がコロナのパンデミック中によく売れたというニュースが何度も取り上げられている。そこで、今回は植物性食品について書いてみることにした。ここでいう植物性食品というのは植物性肉代替え製品だけでなく、植物性乳製品の代替え製品や卵代替え製品、豆腐やテンペ、さらに植物性だけの成分で作った食品などを総称して呼んでいる。

アメリカの食品市場のデータによると、植物性食品の小売売上高は、2020年3月8日から3月29日にかけては27% 増加し、さらに2020年4月19日までの16週間において、植物性肉代替え製品、植物性チーズ代替え製品、豆腐およびテンペが、小売売上高で前年同期と比べて90% 増加し、食品のカテゴリーにおいては非常に高い増加率になった。この増加は食肉業界の工場で従業員がコロナ感染をおこし、そのために工場の操業を一時的に停止し、肉の供給が落ちこむ時期があったからである。それに消費者の多くが肉製品よりも植物性肉代替え製品のほうが安全でより健康的であると考えたためである。また、植物性食品を使用した冷凍製品は長く貯蔵できるという点も消費者が買い溜めをした理由の1つであろう。しかし、肉の供給が元に戻っても、コロナに関する規制が緩和されても、肉代替え製品だけでなく、豆腐、テンペ、植物性チーズ代替え製品などの植物性食品の需要は引き続き高いままである。このことは消費者が植物性食品を一時的な代替え製品だけでなく、毎日の食事の中に食品の一部として取り入れるようになったということである。どのような製品が出されているかをここで紹介してみる。
植物性の肉代替え製品は今年の3月にこのコラムで紹介したが、さらにこのカテゴリーの製品の市場は変化しているので、ここで最近の動きとトップブランドの商品を紹介してみる。10年前からBeyond Meat社とImpossible Foods社が今までの大豆たんぱくの代わりに豆たんぱくを使い、肉とあまり変わらない食感と味のあるハンバーガーを発売し、以前からあった植物性ハンバーガーの市場に火を着けた。Impossible Foodsは肉の赤い色を出すヘムを大豆から抽出して赤い肉汁を再現し、より肉に近いハンバーガー代替えパテ製品をフ―ドサービスに提供し大成功を収めている。さらに最近はスーパーマーケットに小売製品もだしている。この2社の成功はハンバーガーの代替え製品だけでなく、他の代替え製品、その他の植物性食品にも大きな影響を与えた。肉代替え製品のトップメーカーはKellogg社が持っている ブランドの1つであるMorningstar Farmで、このカテゴリーの市場の42%を占めており、種々の製品(写真1)を出している。
Morningstar Farmは11種類の植物性 “Burgers” に、4種類の “Morning” 製品、4種類の鶏肉代替え製品 “Chick’n”、2種類のホットドッグ代替え製品 “Dogs”、3種類の “Meal Starters”、6種類の “Veggitizers” の合計30種類もの製品を出している。Beyond Meatが13.4% のシェアで2位として続いている。この会社はハンバーガーの代替え製品とソーセージ代替え製品の挽肉代替え製品(写真2)を10種類ほど出している。
3番目はConAgra Brandsの “Gardein” ブランドで、鶏肉、牛肉、豚肉、ラム、魚の代替え製品にさらにジャーキー製品(写真3)など58種類も出している。このブランドでは缶詰のスープ製品やジャーキー製品を出しているのが特徴である。Lightlife Foods社は、テンペ製品を昔から出していた会社で、現在ではハンバーガー・パテ、ソーセージなど21種類の製品(写真4)を出しており、そのうち5種類はテンペ製品(8/2020の発酵食品のコラムを参照)である。
創立23年になるField Roast社は、ソーセージ、スライスしたデリ肉、バーガー、ローストビーフ、カツレツ、アペタイザーなどの肉代替え製品(写真5)を17種類出しているが、珍しいのは詰め物をしたローストビーフの代替え製品である。これは活性グルテンを使用している。以上のトップ5ブランドで肉代替え製品カテゴリー市場の77.2% を占めている。こうした肉代替え製品の多くは昔から大豆たんぱくが使われていたが、最近は豆タンパクやその他のタンパク源を使って処方はかなり変化してきており、味やテキスチャーも改善されている。こうしてみるとかなり多くの種類の肉代替え製品が市場に出されており、消費者が色々な植物性肉代替え製品を楽しんでいることがわかる。
肉代替え製品の次に増えているのが乳製品の代替え製品である。以前はラクトースに耐性がない人が乳製品を避けていたが、最近はそうした人だけでなく、動物性食品の摂取を減らそうとする人も牛乳の代わりに豆乳、アーモンドミルクなどの牛乳代替え製品を摂るようになったため近年は需要がかなり定着して来ている。またそれらを使ったヨーグルトやアイスクリームの代替え製品も店には多く並んでいる。これらについては以前にこのコラムで、「ナッツを使った乳製品代替え製品」(7/2019)、「アーモンド製品」(11/2019) のところでも取り上げている。
チーズ代替え製品は最近増えている植物性食品の1つであるが、チーズにはいろいろな質感や形状のものがあり、用途もそのまま食べる物から、サンドイッチに使うもの、熱をかけて溶かして食べる物など千差万別であるので、植物性チーズ代替え製品もそれぞれに処方を考えなければならない。チーズ代替え製品だけを出しているカナダのDaiya Foods社はモッツアレラチーズ・スタイル、チェダー・スタイルのチーズ、クリームチーズなどほとんどのチーズの代替え製品(写真6)を出しており、さらにこれらを使った冷凍ピッザ製品、マック・アンド・チーズ風の“Cheezy Mac”、チーズケーキ風の “Cheezecake”、ブリトース、チーズソース風の “Cheesy Sauce” など多くのチーズ代替え製品を大豆たんぱく、豆腐、豆タンパク、スターチなど種々の原料をうまく使って作ってい
る。このカテゴリーではトップメーカーで、現在は大塚製薬の子会社になっている。前出のField Roast社は “Chao Creamery” 部門を持っており、豆腐を加工したものから作ったスライス状のチーズ代替え製品(写真7) 3種類と、マック・アンド・チーズ2種類を出している。卵の代替え製品も次第に増えてきており、現在では(写真8)のような製品が出されている。例えば、Just社の “Just Egg” では緑豆から単離されたたんぱくが他の成分と合わせて使われている。また、“Energ-E” ブランドの “Egg Replacer” はポテトスターチとタピオカスターチと膨張剤を使って作られている。“Follow Your Heart” ブランドの “Vegan Egg” では大豆たんぱくが使われている。このように卵の代替え製品の成分にはかなりの違いがある。またこうした卵代替え成分を使ったマヨネーズ代替え製品も出されている。
植物性食品には肉や乳代替え製品だけでなく、ベジタリアン、ヴィーガン、フレキシタリアンを対象にした植物性成分だけを使った食品も最近は多く出されている。これについては以前にこのコラムで「増えているベジタリアンフード」という題で書いているので、そちらを参照していただきたい。こうしてみると植物性食品は昔のベジタリアンフードから一般的な食品へと変わりつつあり、購入する消費者ベースも広がってきていることがわかる。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
吉田 隆夫 (よしだ たかお)
Takao Yoshida
1968
1968 - 1970
1972
1972 - 1974

1974 - 1985
1985 - 1990
1990
1999
2002
2016
大阪大学理学部化学科修士課程卒
マイアミ大学学術研究助手
大阪大学理学部化学科理学博士取得
シラキュース大学化学科学術研究員
*2010年ノーベル化学賞受賞 根岸英一氏「シラキュース大・根岸研究室」で協働
International Flavors & Fragrances 社 主任研究員
Carlin Foods/Bunge Foods 社国際事業部長
JTC インターナショナル創立
アメリカ食品産業研究会設立
e-食安全研究会設立
クリエイティブ食品開発技術者協会設立


インターナショナル食品安全協会会員、アメリカ化学会員、アメリカ食品科学技術者協会会員-プロフェッ
ショナル・フェロー、アメリカ食品産業研究会会長、e-食安全研究会理事長

学術論文:21(化学学術論文)、技術特許:40以上



e食安全研究会 理事長
アメリカ食品研究会 会長
クリエイティブ食品開発技術者協会 専務理事
理学博士
IFT 認証食品科学士

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