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2019.12.16
アメリカにはセリアック病という病気の人が人口の約0.8% いる。このセリアック病は小麦のグルテンを消化できない人で、小麦製品を食べるとひどい胃腸疾患が起こり、重篤な場合は死亡に至ることもある。こういう人は小麦製品を避けている。またセリアック病ほどの症状にはならないがグルテンの入った製品を食べると腸の調子がおかしくなる人もいる。あるいは小麦にアレルギーを持つ人もいる。こうした人は人口の約2% と言われている。
その一方で科学的には何も根拠がないが、グルテン・フリー食品はダイエットにいいとか、より健康的であるとか、あるいは子供に食べさせると落ち着くとか言ったような理由でグルテン・フリー食品を求める人が増えている。そのためにアメリカの食品市場にはグルテン・フリー製品が多く並んでいる。アメリカのグルテン・フリー食品市場は2018年には18億ドルの市場で、今後さらに伸びるとみられている。FDAはグルテン・フリーと表示出来るのは、グルテンの量が20ppm以下のものと規定している。グルテン・フリーを認定する団体もあり、認定マーク(図1)をつけている商品も多く並んでいる。アメリカのスーパーの棚ではグルテン・フリー製品を並べたグルテン・フリー・コーナーもある(写真1)。
本来であれば小麦粉やグルテンが含まれているはずのところを他の穀類で代替えした製品が本当の意味でのグルテン・フリー商品といえるが、グルテン・フリーと表示した商品の中には元々小麦などが含まれていないものも多くある。FDAの規則ではグルテンを含む小麦類を元来使っていない製品にもグルテン・フリーの表示を認めているので、多くの製品にグルテン・フリーと表示されている。グルテンは小麦、ライムギ、スペルト、バーレイ麦などの麦類に含まれているタンパク質であるが、このタンパク質はパンなどの膨らみを作るのに大事な物質である。従って、グルテン・フリー製品は上記の小麦類あるいは、単離されたグルテンが使われていない製品である。
パンをはじめとするベーカリー製品には本来小麦粉が使われるので、ほとんどがグルテン・フリー製品ではないが、最近はグルテン・フリーのパン製品もいくつか出されている。ConAgra Foods社は “Udi’s” ブランドでグルテン・フリー製品のパンやパスタを出している。そのパンの1つである”Multigrain Sandwich Bread”(写真2)の成分は、変性タピオカ・スターチ、米スターチ、カノーラ油、玄米粉(米粉、米ぬか)、ソーガム粉、砂糖、タピオカ・スターチ、砂糖シラップ、卵白、亜麻の種、アマランス粉、修飾セルロース、テフ粉、発酵玄米、玄米、塩、イースト、グアーガム、キサンタンガム、酵素である。
“Katz” ブランドのグルテン・フリーのパン “Whole Grain Bread” (写真3)も玄米粉を中心にして作っているもので、その成分は、グルテン・フリー粉(玄米、タピオカ、ソーガム)、カノーラ油、卵、ハチミツ、塩、ガム、イースト、アップルサイダー酢、ゴマである。
パスタ製品にも多くのグルテン・フリー製品が出されている。例えば、Tresomega Nutrition社はスパゲッティーでグルテン・フリー製品(写真4) を出しているが、これにはキノアが使われている。成分は、オーガニックの米粉、キノア粉、アマランス粉だけである。このパスタには乳タンパクと同じように必須アミノ酸が全て入っており、その他にもマグネシウム、葉酸、リン、カルシウム、カリウム、銅、亜鉛も入っており、栄養的に非常に優れた商品である。さらにセールスポイントを挙げると、本製品にはナトリウムが一切入っていないので、高血圧の人などにはいいパスタである。
“Bionature” ブランドのエルボー(マカロニ)(写真5) は、オーガニックの米粉、オーガニックのポテト・スターチ、オーガニックの米スターチ、オーガニックの大豆粉から作られているが、普通のパスタと同じような食感をもっている。
冷凍の朝食製品でKelloggは “Eggo” ブランドでワッフルを出しているが、この同じブランドでグルテン・フリーの製品(写真6) を出している。成分は、水、オーツ麦、米粉、卵、砂糖、植物性油(大豆油、パーム油)、膨張剤(ベーキングソーダ、ナトリウム・アルミニウム・リン酸、モノカルシウム・リン酸)、(以下2% 以下) 天然フレーバー、キサンタンガム、、塩、大豆レシチン、ホエイ、ビタミン・ミネラル(炭酸カルシウム、ビタミンAパルミチン酸塩、還元鉄、ビタミンB6、ビタミンB12)である。

普通のクッキーやクラッカーなども本来はグルテンが入っているので、セリアック病や小麦を避けている人にも食べられるような製品がいくつかだされている。Enjoy Life社のクッキー “Crunchy Cookies – Chocolate Chips” (写真7) に使用されている原材料は、ブレンド粉(玄米、ソーガム、ソバ)、オーガニックの唐き
び砂糖、セミ・スイート・チョコレート(唐きび砂糖、生チョコレート、ココア・バター)、パーム油、水、天然フレーバー、塩、バニラ・エキス、キサンタンガム、ベーキングソーダ、こんにゃくガム、ローズマリー・エキスである。そば粉が使われているのがこの商品の特徴である。この商品のサイトには、小麦、ピーナッツ、ナッツ、乳製品、カゼイン、大豆、卵、ゴマ、硫酸塩、ルピン、マスタード、魚、貝類、カニ類などのアレルゲンが含まれていないと書かれており、アレルギーを気にする人にアピールしている。“glutino” ブランドの製品もグルテン・フリーばかりを出している。“Gluten Free Preezel Twists”(写真8) は、コーンスターチ、ポテトスターチ、米粉、可溶性コーン食物繊維、パーム油、砂糖、塩、セルロースガム、大豆レシチン、イースト・エキス、重炭酸ソーダ、ナトリウム一リン酸、クエン酸を使って作られている。

これまで見て来たベーカリー製品は本来であれば明らかに小麦を使っているので、セリ
アック病の人が忌避することは比較的簡単であるが、小麦が入っているかどうかわからない製品もある。例えばミール製品、ソース類、香辛料などは少量の小麦粉が成分として使用されている可能性がある。 “Birds Eye” ブランドの加熱するだけで食べられるグルテン・フリーのチキンナゲッツ(写真9)では、小麦粉の代わりに米粉、グラム粉(ヒヨコマメを挽いた粉)、コーン粉をころもとして使っている。ソース類ではアメリカでも普通になった醤油にも小麦が使われている可能性があるが、キッコーマンやその他の醤油会社はグルテン・フリー製品を出している。キッコーマンのグルテン・フリー醤油(写真10)では大豆、食塩、アルコールだけが使われている。
BBQ ソースでも例えば Saz's Hospitality Group社がグルテン・フリーのBBQソース(写真 11)を出している。このようにグルテンはセリアック病の人やグルテン非耐性、小麦アレルギーの人には重要な問題で、グルテン・フリーの表示は製品を選択するうえで非常に重要である。
©アメリカ食品産業研究会
著者:吉田隆夫プロフィールを見る
吉田 隆夫 (よしだ たかお)
Takao Yoshida
1968
1968 - 1970
1972
1972 - 1974

1974 - 1985
1985 - 1990
1990
1999
2002
2016
大阪大学理学部化学科修士課程卒
マイアミ大学学術研究助手
大阪大学理学部化学科理学博士取得
シラキュース大学化学科学術研究員
*2010年ノーベル化学賞受賞 根岸英一氏「シラキュース大・根岸研究室」で協働
International Flavors & Fragrances 社 主任研究員
Carlin Foods/Bunge Foods 社国際事業部長
JTC インターナショナル創立
アメリカ食品産業研究会設立
e-食安全研究会設立
クリエイティブ食品開発技術者協会設立


インターナショナル食品安全協会会員、アメリカ化学会員、アメリカ食品科学技術者協会会員-プロフェッ
ショナル・フェロー、アメリカ食品産業研究会会長、e-食安全研究会理事長

学術論文:21(化学学術論文)、技術特許:40以上



e食安全研究会 理事長
アメリカ食品研究会 会長
クリエイティブ食品開発技術者協会 専務理事
理学博士
IFT 認証食品科学士

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